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2016.08.03

歯科クリニック

歯科医院において居抜き物件で開業する場合の注意点

これから歯科医院を開院されるにあたって、開院方法には大きく分けて3つの方法があります。

 

・土地を購入、または借地で新築を建てて開院する方法

・新規にテナントを取得し、設備を導入、開業する方法

・閉院した歯科医院の物件、設備を利用し、リニューアルして開院する方法(居抜き)

 

そのうち、居抜きで開院する場合には、新規で開院するよりも以下のようなメリットがあります。

 

1.初期投資費用を抑えられる

2.閉院する医院のカルテを引き継ぐ場合、集患が容易になる

3.開院までの準備期間が短くて済む

 

しかし、居抜きで開院する場合、注意すべき点もあります。

それぞれの注意点について、しっかりとご留意いただいた上での開院をおすすめします。

 

■設備の老朽化

基本的には、給排水、エアー、バキューム配管は既設の設備をすべて撤去し、新設されることをお勧めしております。もし既設のものを使用する場合には、下記ポイントをチェックしておきましょう。

 

・ユニット周りの排水管やバキューム配管の詰まりは発生していないか?

・印象コーナーや技工コーナーの排水管の詰まりはないか?

・エアー配管内の水の溜まり加減はどうか?

 

排水管やエアー配管の詰まりなどは、通常、年に2回程度は洗管が必要な個所となりますが、専門の業者でなければ洗管やチェックは難しいため、専門家に依頼しましょう。

 

 

チェックした上で老朽化が疑われる場合には、その設備だけはしっかりと入れ替えておきましょう。

 

また、ユニットを交換する場合、1つだけ交換したときに全体のイメージが変わってしまうこともあるため、気を付ける必要があります。

 

■閉院した原因

今後の集患で苦労することが無い様、閉院の原因が立地環境によるものではなかったか、市場調査は必ず行われることをお勧めします。

医院周辺に住まれる方の年齢分布や世帯年収をはじめ、近隣の歯科医院はもちろん、賑わっているスーパーはあるか、等も重要なポイントとなりますので調べておきましょう。

コスモデザイン企画では、物件探しだけでなく市場調査も含めてお手伝いしていますので、集患が見込める立地条件や見ておくべきポイントなど、ノウハウが蓄積されていますので物件選びでお困りであればお気軽にご相談ください。

 

■カルテの引継ぎ

旧医院からカルテを引き継ぐ場合、カルテの枚数(患者数)によって有償となることもありますが、当初からある程度の集患が見込めるという大きなメリットがあります。しかしカルテを引き継ぐだけの場合、細かい情報が抜け落ちてしまうことがあり、スムーズに患者様とコミュニケーションが図れないケースもあります。可能であれば旧医院のドクターから対面でカルテ引継ぎの打ち合わせの場を設けていただく等、紙だけでは伝わらない生の情報を仕入れておくことも有効でしょう。

 

 

■思い通りのユニット数、診療システムが実現できるか

既存の物件、設備を使用する以上、ドクターが理想とする治療方針に合ったユニット数や患者様の動線設計、診療システムが実現できない場合があります。

例えば動線混合なのか、動線分離なのかは物件の間取りや広さによって変更せざるを得ない場合があります。

 

①    動線混合:患者様の動線と医院側(ドクター、衛生士、アシスタント)の動線が同じ構造。省スペースだが、患者様の後ろをスタッフが通るため、プライベートが完全に守られにくい。

②    動線分離:患者様の動線と医院側の動線が絶対にリンクしない構造。完全に分離されているため、安全とプライバシーが患者様、医院側双方共に守られるが、テナント、物件にある程度の広さが必要。

 

また、医院の目指す滅菌消毒レベルによっても、医療用食器洗浄機、超音波洗浄機といった機材や滅菌パックの保管場所の確保など、設置されている機材やスペースによって制約がでてくる場合があります。

 

内覧前に、ご自身が実現したい環境を具体的にイメージしておき、そのイメージがどこまで実現できるかを検証すると共に、もし制約があるようであれば、解決可能な問題なのかどうかを専門家にご相談されることをお勧め致します。

 

 

 

上記のように、居抜き物件での歯科医院開業はコスト・時間の圧縮といったメリットもありますが、デメリットも存在するため、事前にしっかりと検討されることをお勧めします。

 

コスモデザイン企画では、歯科医院開業にあたっての物件探しからコンセプトづくり、居抜き開院の際の設備チェックまで、ワンストップでお手伝いさせていただいておりますので、一度お気軽にご相談ください。

 

 

歯科クリニックの内装デザイン・設計 特設ページ もぜひご覧ください。