2016.10.21
歯科医院における機材の選び方
これから歯科医院を開院される場合、医院の設計とあわせて機材の選定も重要なポイントとなります。
特にメインとなる歯科ユニットについては、開業後の運営効率や運営コストに関わってきますので、慎重に選択したいところです。
お付き合いのある代理店さんにお任せしてしまうケースも多いようですが、理想の医院の実現を目指すのであれば、それぞれの長所・短所を把握した上で納得のいく機材を導入しましょう。
1.歯科ユニットの選び方
まず、歯科ユニットを選ぶ上で重要なのは、ドクターの使い勝手とコスト面の2つです。
どんなに機能に優れたユニットを導入しても、実際の治療の際に使いこなせなければ意味がありませんし、費用の無駄になってしまうかもしれません。
そのため、可能であればドクターが大学や勤務医時代に使用していたものと同じ歯科ユニットや同じメーカーのものを選んでおくと、開業後、ユニットの扱い方に手間取ることなくスムーズに治療に専念することができるでしょう。
また同じ大学の先輩に聞いて、使い勝手の良いユニットを紹介してもらうのも良いでしょう。
また、開業時のコストを抑えるために、まずはメーカーを問わずとにかく安いユニットを導入し、その後経営が軌道に乗った後にリニューアルを検討するのも一つの方法です。
参考までに、歯科ユニットの主なメーカーをご紹介しておきます。
【国産メーカー】
など
【海外メーカー】
歯科ユニットのタイプは、トレー(テーブル)の取り付け位置によってベースマウント、チェアマウント、オーバーアーム等、いくつかに分類されますが、ドクターの診療システムによって適したタイプが異なりますので、やはり使い慣れた形を選んでおくことをお勧め致します。
2.中古歯科ユニットという選択肢
歯科ユニットを選ぶ際には使い慣れたものを、とお伝えしましたが、これから開業されるにあたり出来る限りコスト削減できるところは削っておきたい所です。
そんな時、中古歯科ユニットであれば、新品と比較して3~4割、ものによっては半額程度で入手できる場合もありますので、是非選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
中古歯科ユニットは歯科代理店を通して最終的にメーカーに問い合わせをしていただくのが良いでしょう。
歯科ユニットは、経年劣化により電磁弁やホース類、PC基盤などにトラブルが発生する場合がありますが、メーカーが在庫としてもっている中古ユニットは、一度ユニットを解体して、各部品の損傷はないか一つ一つ確認、交換してから組み直すため、中古とは言え安心してお使いいただくことができます。
もし使用中に故障した場合も、メーカーのサービス部門が中古であっても対応してくれるため安心ですね。
3.レントゲン機器
一昔前はフィルムを使い、自現器で現像して確認する、というのが当たり前でしたが、現在ではデジタルのものが主流になってきています。
タイプとしては、口腔内の部分的なところを診察するためにはデンタルレントゲンを用い、口腔内全体を診察するためにはパノラマレントゲンを用います。
デジタルであればレントゲンを撮ってすぐに患者様に見ていただくこともできますし、
部分的にも全体的にも3Dで診察することができるCTであれば、今までオペができないと思われていた患者様でも画像を3Dで見ることによって治療範囲が広がる場合もありますので、新規開業の場合、予算が許せばCTを導入することも視野に入れてみてはいかがでしょうか。特にインプラント治療の場合、杭を打つ方向などの検討範囲が広がりますので、是非ご検討頂いたほうが良いでしょう。
機材の選定は、患者様の快適性や安心感に関わる部分でもありますし、治療範囲やランニングコストにも影響してくる重要なポイントです。
一つ一つは小さな事でも、毎日の積み重ねの中で時間・費用の少しのロスは長年医院を経営していく上で大きな損失になりかねません。
また、機器を設置する上で、設置する場所の選定や、床、壁がしっかりと水平・垂直になっているかどうかも気にしておく必要があります。
歯科医院設計に慣れている設計会社であれば問題ないかと思いますが、床が水平出ない場合、アーム類が流れて治療の支障となったり、レントゲン室などは床・壁・天井、ドア、コンセントボックスなど細かい部分についても鉛を使用して放射線が漏れないような造作を施さなければ、保健所の認可が下りない、といったケースもありますので注意しましょう。