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2017.02.16

歯科クリニック

開業をめざす歯科ドクターの皆様へ(前編)

これから歯科医院を開業される場合、今後の経営を見据えてどのような事を準備しておくべきでしょうか。

どれだけ腕の良いドクターでも、継続的に経営できる仕組みを整えていなければ成功することは難しくなってきています。

 

それは開業される前の物件選びから始まっています。

これまで当社も数多くの歯科医院様の開業、メンテナンス、リニューアルに携わってきましたが、その中で成功されるドクターに共通しているポイントをご紹介します。

 

 

歯科医院経営を安定させるために、

「集患」 「コスト削減」 「人材育成」 この3つが主な軸となるかと思います。

 

いかにユニットの稼働率を上げ、コストを削減していくか。

当たり前ですが、この事を徹底的に突き詰めて経営されておられる医院はやはり強いです。

自費診療を多く取り、単価を上げる、という方法もありますが、多くの自費診療に力を入れている医院ではそれなりの広告費を投下して集患しているため、これから新規参入して患者を獲得していくためには豊富な資金とマーケティング力が必要とされるでしょう。

現に、保険診療のみでも安定した経営をされている医院様も多くあります。

そのようにうまくいっているところは上記の3点をバランス良く押さえているのではないでしょうか。

では、コスモデザイン企画の医院づくりという目線で、それぞれのポイントを解説いたします。

 

 

「集患」に効く仕組みのデザイン

集患に繋げるために、新規の患者様の獲得とリピーターとなっていただくための仕組みづくりについてご説明します。

まず、新規の患者様に来ていただくためには、当然ですが、そこに「良さそうな歯科医院がある」、ということを認知してもらわなければ始まりません。

最近ではSNSなど、口コミも容易に広がりやすくなっている環境にありますが、まずは1人目の患者様の心を掴まなければ、口コミも発生しようがありません。

まず一人目の患者様に来院いただくためには以下のような対策を行う必要があります。

 

・リピーター患者となってくれそうな層が居住している周辺に開院する。

・ひと目で歯科医院だと判り、雰囲気の良さそうな看板、ロゴ、入り口を作る。

・インターネットで検索した時にきちんと情報が出てくるようにする。

・開院時の内覧会を入念に準備して行い、見込み患者様をつくる。

 

自費診療ではなく保険診療で来院されるほとんどの患者様は「自宅や勤務先から通いやすい所にあるか?」「清潔で安心できる医院か?という点を重視しておられるのではないでしょうか?

交通広告や屋外広告、ネット広告を見て歯科医院を認知しており「そこに行こう!」と考えられる患者様は少数派なのではないかと思います。

そのため、立地と外から見たときのイメージは何より大事になってきます。

外観についても、まるで高級ブティックのようなお洒落な雰囲気にすることもデザイン上はできますが、歯科医院であることが認知されなければ、集患には繋がりません。(よほど尖ったコンセプトをドクターがお持ちで、限られた人にしか来て欲しくない、というような場合は別ですが・・・)

看板、ロゴについても外観イメージと併せて調整されることをお勧めします。

物件選びの際も、周辺地域の世帯年収や、歯科医院の有無、賑わっているスーパーがあり生活圏として活性化されているか、といった基本的なポイントも調査する必要がありますが、ビルの2階以上で目につきにくい立地となっていたり、奥まった路地にあり人が素通りしてしまうような物件は時期・家賃の問題で焦って決めてしまうことがないよう留意しましょう。

そして重要なのは開院時の内覧会です。内覧会は、地域の方々に新しく開院した医院の治療理念や雰囲気などを知っていただくための絶好のチャンスです。この内覧会でいかに多くの方に、しっかりと自院の魅力を理解していただけるかで、その後の経営軌道は大きく変わってきます。

何かとお金のかかる開院準備の中で、少しでもコストを抑えたいと思うあまり内覧会の企画・運営を慣れない自社スタッフでまかなってしまい、折角地域の方に来訪いただいても十分に魅力を説明しきれなかったり、対応のまずさで余計な不安感を与えてしまったりすると、逆効果になってしまうことさえあります。

経営が順調な医院のドクターは、この初回の内覧会の重要性を十分認識しておられ、初めから事業計画を作って融資を受ける際にも内覧会の費用をしっかりと確保してプロのイベント会社に依頼し、十分なおもてなしをした上でその後のアポイントを獲得しておられます。もちろん、イベント会社の選定は重要ですが、内覧会については最初の核となる見込み患者様を獲得する貴重な機会ですので、ここへの予算投資は十分に検討する価値があるでしょう。

 

■ リピーター作りのポイント

次にいかにリピーターとなっていただくか、周りに口コミで広げていただけるか、のポイントです。

リピーターや口コミで評判を広げていただくためには、患者様の来院中の治療体験の質を向上させることに尽きますが、まず、歯科医院は「医療機関ではなくサービス業である」という認識を経営されるドクターご自身に持っていただく必要があります。

患者様もご自身で費用を払って治療を受けに来られていますので、患者様もサービス業でいう「お客様」にあたるものと考え、「痛い治療は嫌だ」「気持ちよく治療したい」というニーズにできるだけ寄り添い、治療方針を決めていくことが繁盛する歯科医院の秘訣です。

それでは 「治療システム」 「ハード面」 「ソフト面」 の3点でその仕組みを考えてみましょう。

 

1) 「治療システム」について

 

初めてご来院いただいてから継続的に口腔内のメンテナンスをしていただくため、患者様に無理強いすることなく適切なアドバイスができるような仕組みづくりはできているでしょうか。

ポイントは無理強いすることなく、患者様にいかに納得していただいて治療を受けていただけるか、という部分です。

同じ治療を受けていただくにあたっても、きちんとその治療がなぜ必要なのか、今後どの程度の頻度、期間に渡って治療すべきかなどをこれまでのケース、事例を示しながら事前に丁寧にご説明した上で、最終判断を患者様にしていただく、というだけで格段に患者様の納得度は上がります。

そのような説明ができるよう、勤務医や衛生士の方にも徹底的に方針を理解いただき、必要であればマニュアル化していく、といった裏側での仕組みづくりが必要です。

また、再来院していただく際の予約システムや、同じドクターの方が継続して治療を担当できるような仕組み、患者様の麻酔時の痛みを極力低減するための表面麻酔薬や注射の加圧ムラを防ぐ電動注射器の活用なども考えて行く必要があるでしょう。

2) 「ハード面」について

 

患者様が来院中、快適に過ごしていただけるよう、待合室内の雰囲気はもちろん、治療エリア内の導線や設備等にも気を配りましょう。

患者様が落ち着いて治療を受けられるよう個室にできるのであればベストですが、個室が難しければスタッフ側と患者様側の導線を分離しておくことで、患者様の頭上をスタッフが歩き回るような事態を防ぐことができます。

また、待合室でお待ちいただく間にも、患者様に快適に過ごしていただけるような各種設備の設置も検討すべき項目です。
例えば、お子様向けスペースやウォーターサーバー、書籍類の充実やWi-Fi、患者様用電源の提供などを検討していただくことも有効ですし、今後、リピーターになっていただくために、医院の考え方などを記載した啓蒙パンフレットを置いておく、紹介ビデオを作成し自然と患者様の目に入るようにしておくなど工夫できるポイントは数多くあります。

 

3) 「ソフト面」について

 

歯科医院を「サービス業」、患者様を「お客様」と考えた時、患者様に対するコミュニケーションは、リピートに繋げるための最重要ポイントです。

ドクターはもちろん、スタッフの方全員が“接客”意識を持って患者様に対応されている医院様はやはり評判が良い傾向にあります。

詳しくは人材育成のポイントでお話しますが、接遇レベル向上のため異業種の接遇研修にスタッフを参加させる医院様も増えているようです。

またアフターケアも重要なポイントとなりますが、治療期間中のケアと治療後に定期的な検査を促すためのケアの2つを考える必要があります。

治療期間中については、次回の来院を忘れてしまわないように、予約日の前日などのアラートメールをお送りしたり、予約日の変更をいつでもしていただけるようにホームページ上から予約ができる仕組みを作る、等も有効な手段です。

治療後についてはDM(ダイレクトメール)の定期的な送付は必須です。治療後、数ヶ月後にその後の経過を尋ね、スケールチェックや歯石除去などの基本的な検診メニューの料金表も記載してお送りするのが良いでしょう。

また、DMを受け取られた方が周りの方にお勧めしやすいよう、簡単に医院の治療方針や外観、地図等を記載して「周りに歯の事でお困りのご家族・ご友人がいらっしゃいましたら是非ご紹介ください」とストレートに伝えてしまうのも効果があります。

もちろん初診時に個人情報の取扱いもありますので患者様に許諾をいただく必要がありますが、可能であればDMだけでなく電子メールでのメールマガジンなども定期的に発行してアプローチしましょう。

 

 

【 まとめ】

 

以上、まずは歯科医院で経営を安定させるために必要なユニット稼働率の向上につながる 「集患」 の仕組みづくりについてお話させていただきました。

次のポイント、「コスト削減」 「人材育成」 については別の機会に記事にさせていただきますので、お楽しみにお待ちください。

 

 

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株式会社コスモデザイン企画

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